<な>
NAS電池
NAS電池は蓄電池の一種で、コンパクトで自己放電もなく、自動車に使われている鉛蓄電池の約3倍の蓄電能力がある。夜間の電力をNAS電池に貯蔵し、昼間使うと電力負荷の平準化に効果がある。また出力が不安定な風力発電などと組み合わせて、発電出力を安定に役立てることもできる。
<に>
二酸化炭素
動物の呼吸や、石油、石炭などの化石燃料の燃焼によって発生する気体。炭酸ガスともいう。CO2と表記。大気の一成分であり、それ自体は有害ではないが、地上から放出される熱を吸収する温室効果があり、その濃度が高まると地球温暖化を招く。近年、人間活動の拡大によりCO2の発生が増加している。産業革命以前には大気中のCO2は 280ppm程度であったが、現在は 370ppm程度に増加しており、「温室効果ガス」の増加による地球温暖化が問題となっている。このため国際的な政府間パネル(IPCC)が設置され、1992年には「気候変動枠組み条約」が採択された。我が国では1990年に「地球温暖化防止行動計画」が策定されている。
二酸化炭素排出係数
単位量当たりの化石燃料等を燃焼したときに排出される二酸化炭素の量をいう。一般的には、単位熱量あたりに発生する二酸化炭素の量で示す。二酸化炭素排出係数は、国や地方公共団体の地球温暖化対策を推進させるために、毎年算出され、政令により公布されている。
二酸化炭素固定
地球の温暖化を防ぐため、二酸化炭素の排出抑制、固定化に関する技術開発が緊急の課題となってきた。二酸化炭素の固定には、まず二酸化炭素を排ガスの中から分離・回収し、深海や地中などに貯蔵する方法、化学的に変換して、再利用する方法、植物の光合成を利用する方法がある。化学的に変換する方法としては、水素と反応させてメタノール、メタンなどを生成する方法や、太陽光と水を使って人工光合成を行う方法などがあるが、まだ研究が始められたばかりで、実用化するには多くの問題を抱えている。
二次エネルギー
電気をつくるためには、まず1次エネルギーの石油などを燃やして熱エネルギーをつくり、その熱エネルギーでタービン発電機を回して電気エネルギーに変えるが、1次エネルギーに手を加えて新しく生まれるエネルギーを2次エネルギーという。
二次電池
ニッケルやリチウムなど金属化合物による化学反応を利用して電気を作る化学電池のうち、充電によって繰り返し使用できるもののこと。乾電池のように使い切りの「一次電池」と区別してこう呼ばれ、蓄電池ともいう。生活の中で用いられる二次電池には、自動車のバッテリーなど大型のものと、携帯電話などの電源に使われる小型二次電池がある。
認証排出削減量(CERs)
京都議定書で規定されるクリーン開発メカニズムの実施の結果取引される排出削減量のこと。認証は第三者の認証機関が行うことになる。
<ね>
ネット方式
温室効果ガスの排出量算出に際し、該当する期間の総排出量から総吸収量を差し引いて計算する方式のこと。吸収量の測定に困難が伴うことが指摘されている。
熱帯林の減少
熱帯地域(おおむね南北回帰線にはさまれた地域で、最も寒い月の平均気温が18度以上の地域とほぼ一致)に分布する森林が熱帯林で、降雨量と期間の違いにより森林のタイプが熱帯多雨林、熱帯季節林、サバンナ林に大別される。過度な焼畑耕作、薪炭材の過剰採取、放牧地や農地などの転用、不適切な商業伐採などがこの熱帯林減少の直接原因と指摘されており、焼畑耕作が全体の45%と最も高い割合を占めている。地域的にみると熱帯アメリカでは焼畑耕作が35%を占め、過放牧がそれに次ぐ。熱帯アフリカでは焼畑耕作が70%以上を占め、熱帯アジアでは焼畑耕作が49%を占める。燃料を多く材木に依存している開発途上国では、丸太生産量に占める薪炭材の割合が平均80%と高い値であり、用材は20%に過ぎない。熱帯多雨林域の高温多湿な気候は地球上で最も種の多様性に富んだ生態系を成立させており、地球上の生物種の半数がそこに生息すると言われている。また、熱帯林は地球上の生きた植物の現存量の50%強を占める巨大なバイオマスであるが、近年の森林破壊によってバイオマス中に蓄えられた炭素が大気中に放出され、地球温暖化を加速している可能性がある。
熱効率
火力発電所で燃やした燃料のうち、どれくらいの量が電気に変わったかという割合を示す数字を熱効率という。火力発電所の性能をあらわすもの。2001年度の火力発電所の平均熱効率は41.6%、1950年代の熱効率は16%程度。
燃料転換
二酸化炭素の排出を削減するため、使用する燃料の種類を換えること。通常は、石炭や石油から天然ガスや再生可能エネルギーに換えることを指す。
燃料電池
メタノールなどから取り出した水素に空気中の酸素を化学反応させて電気と水を取り出す発電装置で、原理や動作温度の違いにより固体高分子型(PEFC)、リン酸型(PAFC)などさまざまな種類がある。なかでも電解質に固体の高分子を使ったプロトン交換膜型燃料電池(PEM)は、自動車の動力源のほか家庭用電源として小型化・高効率化の研究開発が進められ、分散型発電の旗手として期待されている。
燃料電池車
水の電気分解と逆の原理で、水素と酸素を反応させて電気をつくり、モーターを回して動かす自動車。酸素は空気中にあるので、あとは水素を外から補給する必要がありますが、現在、水素を自動車に貯蔵する「水素貯蔵方式」と、メタノールを自動車に積んで化学反応で水素をつくる「メタノール改質方式」が開発の中心となっています。排気ガス等を出さないので、経済的な燃料電池車が実現すれば、ガソリンエンジン車に取って代わる新しい自動車の主流になると位置づけられており、世界中の自動車メーカーが研究中。
<は>
廃棄物発電
廃棄物の燃焼で得られる熱を利用した発電方式。ごみ焼却場などで広く採用されてきている。
(JCCCA HPより)
パーク・アンド・ライド
マイカーの市街地への乗り入れを抑制し、都市の慢性的な交通渋滞を緩和するための制度。自宅から乗ってきた車を、途中で駅周辺の駐車場に停めてもらい、バスや電車などの公共交通機関への乗り継ぎを促そうというもの。パーク・アンド・ライドは、1980年代からドイツのフライブルグ市で導入され始めたのが始まり。日本でも、金沢市や広島市などで試行されているほか、東京都、大阪府、名古屋市などの大都市でも実験が相次いでいる。
パーフルオロカーボン類(PFCs)
1980年代から、半導体のエッチングガスとして使用されている化学物質で、人工的温室効果ガス。HFCsほどの使用量には達しないものの、CFCsの規制とともに、最近、使用料が急増している。100年間のGWPは、二酸化炭素の6500~9200倍。京都議定書で削減対象の温室効果ガスの一つとされた。
バイオガス
有機質のごみや家畜の糞尿などを発酵させて得られる可燃性ガス。通常はメタンガスであり、再生可能エネルギーの一つ。
バイオマス
太陽エネルギーが植物の光合成によって生体内に固定、蓄積されたもので、エネルギー資源として利用できる生物体のこと。具体的には、生物の体やふん尿などを意味する。バイオマスには、炭素や水素が含まれるため、燃やせばエネルギー源となる。木炭や薪(まき)などはこのバイオマスの一種。おがくずなどの廃棄物をペレット燃料化するものやふん尿などを発酵させてメタンガスを取り出すものなどがある。バイオマスのエネルギー利用としては、燃焼して発電を行うほか、アルコール発酵、メタン発酵などによる燃料化や、ユーカリなどの炭化水素を含む植物から石油成分を抽出する方法などがある。ゴミや下水汚泥などの廃棄物に含まれている有機分の利用も研究されており、廃棄物処理と石油代替エネルギーの両方に役立つ。
バイオ燃料
微生物や菌類などバイオの働きを使って作った燃料のこと。環境影響が小さく、有機性廃棄物からも製造できるため、循環型社会における石油系燃料の代替として注目される。現在では、下水汚泥や食品廃棄物などを原料とするメタンガス、廃食用油を使ったディーゼルエンジン用燃料、サトウキビなどを使ったエタノールなどの製造技術が開発されている。地球温暖化における各国の取り組みを定める議定書では、バイオ燃料の使用に関しては二酸化炭素排出分とみなさないため、各国で導入の動きが活発化しつつある。
バイオマス活用推進基本法
議員立法で2009年6月、第171回国会で成立。目的には、バイオマス(動植物に由来する有機物である資源で、化石資源を除く)の活用の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって持続的に発展することができる経済社会の実現に寄与することを掲げている。
基本理念として、バイオマスの活用の総合的、一体的かつ効果的な推進(第3条)、地球温暖化の防止に向けた推進(第4条)、循環型社会の形成に向けた推進(第5条)、産業の発展及び国際競争力の強化への寄与(第6条)、農山漁村の活性化等に資する推進(第7条)、バイオマスの種類ごとの特性に応じた最大限の利用(第8条)、エネルギーの供給源の多様化(第9条)、地域の主体的な取組の促進(第10条)、社会的機運の醸成(第11条)、食料の安定供給の確保(第12条)、環境の保全への配慮(第13条)などが規定されている。
また、「バイオマス活用推進基本計画」、都道府県、市町村の「バイオマス活用推進計画」の策定、「バイオマス活用推進会議」の設置等についても定めている。
(EICネット HPより)
バイオマスタウン構想
バイオマスタウンとは、域内において、広く地域の関係者の連携の下、バイオマスの発生から利用までが効率的なプロセスで結ばれた総合的利活用システムが構築され、安定的かつ適正なバイオマス利活用が行われているか、あるいは今後行われることが見込まれる地域をいう。
「バイオマス・ニッポン総合戦略」に基づき、内閣府、総務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省が「バイオマスタウン構想基本方針」を策定し、全国の市町村に対し構想策定を募集している。
バイオマスタウンの公表基準としては、「域内に賦存する廃棄物系バイオマスの90%以上、または未利用バイオマスの40%以上の活用に向け、総合的なバイオマス利活用を進めるものであること。」等が示されている。
2005年2月の第1回公表(5件)を皮切りに、2009年4月30日現在、209件のバイオマスタウン構想が公表されている。
(EICネット HPより)
バイオマス・ニッポン総合戦略
バイオマスの総合的な利活用(動植物、微生物、有機性廃棄物からエネルギー源や生分解素材、飼肥料等の製品を得ること)に関する戦略。
農林水産省は、文部科学省、経済産業省、国土交通省、環境省とともに、アドバイザリーグループの意見も踏まえ、2002年7月30日バイオマス・ニッポン総合戦略の骨子を策定・公表し、同年12月27日閣議決定された。
地球温暖化防止の取り組みとして二酸化炭素の排出源である化石資源由来のエネルギーや製品を、カーボンニュートラル(二酸化炭素の増減に関与しない)という特性を持つバイオマスで代替すること、また、循環型社会の形成、農林漁業・農山漁村の活性化、競争力ある戦略的産業の育成などの期待が寄せられている。
同戦略によると、2010年までに廃棄物系バイオマス全体の80%、未利用バイオマス全体の25%以上の利用を目指すとしている。
(EICネット HPより)
バンキング
気候変動枠組条約の附属書I国が京都議定書に定める温室効果ガスの削減に関して、約束期間に削減目標を上回り削減した場合、その余剰分を次の約束期間の目標達成のために使える仕組み(京都議定書第3条13項)。
ロシアや旧東欧諸国は、経済的な低迷により、削減努力を行わなくとも、排出量が目標を大幅に下回る(いわゆるホットエア)可能性があり、この余剰排出枠をバンキングしたり国際市場で販売したりする選択肢を有している。
(EICネット HPより)
バイオディーゼル燃料(廃食油)
菜種油・ひまわり油・大豆油・コーン油などの廃てんぷら油を原油として燃料化 プラントで精製して生まれる軽油代替燃料のことで、バイオマスエネルギーのひとつ。軽油車に改造なしで給油でき、排ガス放出量、即ち二酸化炭素の排出を大幅に削減することができるため、地球温暖化防止に役立つ。また、植物性の廃食油を使うので廃棄物リサイクルになり、地域循環型社会の構築に貢献できる。低コスト、保管しやすい利点がある。今、日本全国ではバイオディーゼル燃料とするバイオディーゼルバスが広がりつつある。
(EICネット HPより)
ハイドロクロロフルオロカーボン類(HCFCs)
自然界に存在しない人工的な温室効果ガスであり、オゾン層破壊物質でもある。CFCよりオゾン破壊係数が小さいので、生産の中止が決まったCFCに替わり、洗浄剤や冷蔵庫、カーエアコンなどの冷媒に広く使用されていたが、モントリオール議定書により全廃までの規制スケジュールが定められた。
ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)
オゾン層を破壊しないことから、CFCsやHCFCsの規制に対応した代替物質として1991年頃から使用され始めた化学物質で、近年、その使用が大幅に増加している。HFCsは自然界には存在しない温室効果ガスで、100年間のGWPは、二酸化炭素の数百~11,700倍と大きい。1997年に採択された京都議定書には削減対象の温室効果ガスの一つに加えられた。
ハイブリッドカー
電気自動車は、エネルギー効率に優れ、排気ガスを出さないので、地球温暖化や大気汚染対策に効果があるが、電気を貯めておく電池の性能がまだ開発途上で航続距離があまり長くないのが難点。ハイブリッドカーはその難点を補うため、エンジンとモーターを両方積んだクルマのこと。必要に応じてエンジンで充電しながら走行するため、従来車と同じようにガソリンだけで走れて燃費が大幅に向上。
白化現象(サンゴ礁)
サンゴは褐虫藻という植物プランクトンと共生しているが、ストレスを与えるとサンゴの体内からこれが放出され、サンゴの骨格が透けて真っ白に見える現象をサンゴの白化といい、ある期間白化現象が続くと死滅する。
パイロットフェーズ
共同実施活動の有効性を調査するための試行期間のこと。第1回締約国会議(COP1)で設置のコンセンサスが得られた。
(JCCCA HPより)
パッシブソーラー
太陽光発電や太陽熱温水器のように、装置を使って太陽エネルギーを取り入れることをアクティブソーラーと呼ぶ。それに対してパッシブソーラーは、建物そのもののエネルギー効率を高め、昼間にたくわえた太陽熱を夜の暖房に利用したり、夜間の涼しい空気で日中の暑さを和らげたりすることを意味する。コストの割にその効果が高いことが知られ、省エネ、地球温暖化対策として注目を浴びている。
バブル
温室効果ガス削減に対し、グループ単一の目標を掲げその達成を図ろうとする国の集まりのこと。京都議定書ではEU15カ国で構成するEUバブルが全体で8%削減目標を掲げた。
バンカー油
国際輸送に供される船舶や航空機の燃料のこと。現在のところ、バンカー油による二酸化炭素排出は各国の温室効果ガス削減の対象から除外されている。
(JCCCA HPより)
発生抑制(リデュース)
廃棄物の発生自体を抑制すること。リユース、リサイクルに優先される。リデュースのためには、事業者には原材料の効率的利用、使い捨て製品の製造・販売等の自粛、製品の長寿命化など製品の設計から販売に至るすべての段階での取組が求められる。また、消費者は、使い捨て製品や不要物を購入しない、過剰包装の拒否、良い品を長く使う、食べ残しを出さないなどライフスタイル全般にわたる取組が必要。
(チャレンジ25キャンペーン HPより)
バンキング
約束期間に温室効果ガスを削減目標を上回り削減した場合、その余剰分を次の約束期間の目標達成のために使える仕組み。
波力発電
海から押し寄せる波の上下動を利用し、それによって起きる空気の流れでタービンを回して発電する方法。海に囲まれた日本で、環境に優しいエネルギーとして注目されているほか、発電装置が防波堤の役目を果たし、波が静まる効果があるため、養殖事業やマリンレジャーに適した海域が生まれるとの期待も高まっている。すでに、山形県酒田港沖で防波堤利用の波力発電装置の実験が行われており、実証試験を終了。離島などでの小規模な発電には応用できる状況になっているといわれている。
排出量取引
京都メカニズムの一つで、京都議定書で先進国に割り当てられた二酸化炭素[CO2]など温室効果ガス排出許容量の一部を売買する仕組みのこと。温室効果ガスを削減目標以上に排出した時は、他より購入して目標値を達成したり、逆に排出量が目標に対して余裕がある場合は、その差分を他に売却することができる。
発光ダイオード
発光ダイオードは電気を光に変える作用がある。電球は電流の熱作用で光を出すが、発光ダイオードは電子エネルギーを直接光に変えるので、超小型で電気の消費量も少ないという特長がある。この特長をいかして、テレビやビデオなどの表示パネルに使われている。
<ひ>
日傘効果
工場の排ガスや山火事の煙に含まれる微小な粒子が雲を作り、これが太陽の 光を反射して地球の平均温度を下げる効果。
(JCCCA HPより)
100万人のキャンドルナイト
ライトアップ施設や各家庭の電気を一斉に消すこと。ライフスタイルの転換を呼びかけ、温暖化防止などをめざす運動として実施されている。「でんきを消してスローな夜を。」という呼びかけの下で、2003年から年に2回(冬至と夏至)、夜の20時から22時までの2時間を渡って実施される。
2001年5月に、景気回復を目的として電力供給の推進を打ち出す米国のエネルギー政策への反対から、カナダで自宅の電気を消す「自主停電運動」が起こったことに端を発する。日本では、2002年頃より草の根運動が開始され、2003年6月に、第1回「100万人のキャンドルナイト」として始まった。
(EICネット HPより)
非附属書I国
気候変動枠組条約(FCCC)の附属書に記載されない国(途上国)のこと。これらの国は2000年までの削減努力や報告義務が免除されている。
(JCCCA HPより)
氷床
陸面や大陸棚を連続的に覆う面積50,000Km2以上の氷河。 氷帽ひょうぼう山 岳の分水嶺付近をいつも覆っているドーム型の氷河。
(JCCCA HPより)
ヒートアイランド現象
都市とその郊外地域の等温線の形状が地形図上の島と似ていることより、都市部の気温が郊外に比べて高温になる現象をいう。その原因は、アスファルトやコンクリートで地表が覆われ、そこに日射熱が蓄積されること、緑地の減少により、水分の蒸発による気温低下が少ないこと、また、自動車の排気ガスの増大や、エアコンの大量使用がらに外気温を押し上げるといった悪循環による。とくに、日中の最高気温が30℃を超える「真夏日」や、明け方の最低気温が25°C以下にならない「熱帯夜」が増えているのもこのためである。
ヒートアイランド対策関係府省連絡会議
ヒートアイランド対策に関係する行政機関が相互に密接な連携と協力を図り、ヒートアイランド対策を総合的に推進するため、平成14年9月に設置された。内閣官房、警察庁、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省及び環境省で構成される。
(チャレンジ25キャンペーン HPより)
ヒートアイランド対策大綱
ヒートアイランド対策に関する国、地方公共団体、事業者、住民等の取組を適切に推進するため、基本方針を示すとともに、実施すべき具体の対策を体系的にとりまとめたもの。平成16年3月、ヒートアイランド対策関係府省連絡会議において策定された
(チャレンジ25キャンペーン HPより)
ヒートポンプ
燃焼から熱エネルギーを取り出す代わりに、熱の移動によって取り出すシステムのこと。動力エネルギーの3倍近くの熱を利用できると言われており、石油などの化石燃料を燃やして熱を得る従来のシステムに比べ、非常に効率が良く、環境への負荷が低いシステムである。すでにエアコンなどに多用されているが、最近では蓄熱システムと併用してより低コストで環境に優しいヒートポンプ蓄熱システムが注目されている。
ピークカット
電力ピーク時間帯の熱源動力負荷をカットすること。
ピーク時はおおむね昼から午後にかけてであり、ピーク需要を減らすことは、二酸化炭素排出量の多い石油火力発電所の電力を減らすことにつながり、地球温暖化対策という観点から重要な取り組みといえる。
電力負荷率(電力平均出力を最大出力で割ったもの)も悪化の傾向にあり、発 電設備稼働率は年々低下してきている。これらを緩和する手段として電力ピーク時間帯に太陽光発電を用いることによるピークカット効果などが注目されている。
(EICネット HPより)
PDCAサイクル
Plan(計画)、Do(実施)、Check(点検)、Action(是正)を意味し、品質向上のためのシステム的考え方となる。品質管理の父といわれるデミングが提唱した概念で、単にPDCAという場合もある。
管理計画を作成(Plan)し、その計画を組織的に実行(Do)し、その結果を内部で点検(Check)し、不都合な点を是正(Action)したうえでさらに、元の計画に反映させていくことで、螺旋状に、品質の維持・向上や環境の継続的改善を図ろうとするものである。
この考え方は、ISO9000やISO14000のマネジメントシステムに採用されているほか、種々のシステムの維持、改善に共通に通用することから食品の安全を図るためのHACCP(危険地点管理統合評価)システムなどにも採用されている。
(EICネット HPより)
<ふ>
Fun to Share (ファン・トゥ・シェア)
環境省は、地球温暖化対策のため、豊かな低炭素社会づくりに向けた知恵や技術をみんなで楽しく共有し、発信していこうという気候変動キャンペーン「Fun to Share」を2014年3月からスタートしている。
(EICネット HPより)
附属書Ⅰ国
OECD加盟諸国及び旧ソ連・東欧諸国を指す。途上国に先行して2000年までに温室効果ガスの排出量を1990年レベルに安定化する政策と措置をとることなどの義務を負う。
附属書A
京都議定書の附属書のひとつ。対象とする温室効果ガスの種類と発生源分野のリストを掲げている。
対象とする温室効果ガスはCO2、CH4、N2O、HFCs、PFCs、SF6の6種類。発生源分野としては、エネルギー分野(エネルギー産業、運輸など)、工業プロセス分野(鉱業製品、化学産業など)、農業(家畜の腸内発酵と糞尿管理、農業土壌など)、廃棄物(固形廃棄物の埋め立て、下水処理、廃棄物の焼却など)を掲げている。
(EICネット HPより)
附属書Ⅱ国
OECD加盟諸国を指す。附属書Ⅰ国の義務に加えて、途上国への資金提供などの義務を負う。
附属書B
京都議定書の附属書のひとつ。締約国およびその温室効果ガスの排出削減数値目標のリストを掲げている。
「2008-12年における温室効果ガスの削減目標は対1990年比EU8%、米国7%、日本6%」などとして知られているが、このことの附属書Bの公式の表現は「数量化された排出抑制/削減のコミットメント」とされ、EUは92、日本は94、アメリカは93とされている。
(EICネット HPより)
附属書B締約国
京都議定書で数値目標が定められている国のこと。日本、アメリカなど西側先進国と旧ソ連・東欧諸国(経済移行国)の38カ国とEU。
フロンガス
正式には「クロロフルオロカーボン(CFC)」。無色、無臭、不燃性で化学的に安定しているなどの特性があり、エアコンや冷蔵庫の冷媒、電子部品の洗浄、発泡スチロールの発泡材、スプレーなどに使われている。しかし、1974年、大気中に放出されたフロンが、有害紫外線を吸収するオゾン層を破壊する可能性があるとの報告がなされ、92年11月のモントリオール議定書締約国会議で、特定フロンの95年中全廃が決められた。しかし、フロンは十年以上かけて成層圏へ到達するため、現在でも、オゾン層の破壊が進んでいるのが現状である。
フロン回収破壊法
オゾン層破壊や地球温暖化の原因物質の一つであるフロンの大気中への放出を禁止し、機器の廃棄時に回収、破壊処理を行うことを義務付けたもの。正式名称は「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律」。対象となるのは、自動車カーエアコン、業務用冷凍空調機器に使用されるクロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン。
フードマイレージ
1994年に英国の消費者運動家ティム・ラング氏が提唱したといわれる考え方 (元の用法は、Food Miles)。輸入食糧の総重量と輸送距離を掛け合わせたものである。食料の生産地から食卓までの距離が長いほど、輸送にかかる燃料や二酸化炭素の排出量が多くなるため、フードマイレージの高い国ほど、食料の消費が環境に対して大きな負荷を与えていることになる。
農林水産政策研究所の中田哲也政策研究調整官(当時)の試算によると、2000年の日本の食料輸入量は約5,300万トンで、輸送距離を掛けたフードマイレージは約5,000億トン・キロメートルとなる。これは、韓国の約3.4倍、米国の約3.7倍になるという。また、日本人1人あたりのフードマイレージは約4,000トン・キロメートルであり、1人あたりの年間食料輸入量の約420キログラムで割ると、平均輸送距離は10,000キロメートル弱になる。これは、直線距離にして、ほぼ東京から米国シカゴまでの距離に相当する。
(EICネット HPより)
風力エネルギー
風が持っているエネルギー。風は空気が対流することにより生じる。風力エネルギーとは、この空気が対流するエネルギーを取り出し、人間活動に利用することを指す。風力エネルギーは、風向・風速が変動するので安定したエネルギー供給が難しいという面があるものの、資源はどこにでもあり、かつ、無尽蔵な国産のクリーンエネルギーと位置づけられる。
この種のエネルギーは、数千年前から帆船等に利用されているほか、最近まで風車等により揚水や製粉のための動力として利用されてきた。
近年、地球温暖化問題をはじめとして環境問題が深刻化する中で、化石燃料を主体とした従来型のエネルギーに代わるクリーンなエネルギーとして発電などに利用することが期待されている。
(EICネット HPより)
風力発電
太陽光エネルギーとならんで、自然エネルギーを利用したクリーンな発電として注目を集めている。欧米では、「ウインドファーム」と呼ばれる巨大な風車が並ぶ大規模な風力発電が行われており、日本でも自治体や企業を中心に、積極的に利用しようという動きが各地で見られる。さらに、一般家庭向けの小型風力発電機も市販され始め、普及が進めば、環境にやさしい大きなエネルギー源になるものと期待されている。
分散型発電
大規模発電所で電気を作り、送電線によって利用場所に送られる現在の集中型発電に対し、電気の利用場所で少しずつ電気を作って利用すること。分散型発電では電気を作る時に発生する熱も一緒に利用するコージェネレーションが容易になり、送電や変電のロスが減らせるなどの利点がある。また、小規模で実施されることが多い分散型発電では、太陽光発電や燃料電池、風力発電など再生可能なエネルギーを利用しやすく、地球温暖化防止の観点からも注目されている。
分散型エネルギー
化石燃料や原子力のように大規模で集中的に生み出されるエネルギー源に対し、太陽光、太陽熱、風力、地熱などの小規模なエネルギー源をいう。多くは再生可能エネルギーでもある。
(JCCCA HPより)
<へ>
平衡気候実験
気候モデルの強制力を段差的に変化させ、モデルを新たな平衡状態に到達さ せる実験。このような実験からは、モデルの初期状態と最終状態の差異に関する情報を得ることができるが、応答の時間変化に関する情報は得られない。
(JCCCA HPより)
ベルリンマンデート・アドホックグループ
1995年3月にベルリンで開催された気候変動枠組み条約第1回締約国会議での決定(ベルリンマンデート)に基づき、2000年以降の地球温暖化防止対策を規程する議定書等を検討した会合のこと。COP3までに8回開催された。(AGBM)
(JCCCA HPより)
ベースライン
温室効果ガスの排出または除去を測定する際の比較となるシナリオ。
(JCCCA HPより)
ベースライン・アンド・クレジット方式
温室効果ガスの排出削減プロジェクト等を実施し、プロジェクトがなかった場合に比べた温室効果ガスの排出削減量をクレジットとして認定し、このクレジットを取引する制度のこと。
(JCCCA HPより)
BEMS(ベムス)
ビルエネルギーマネジメントシステム(Building and Energy Management System) の略。
BEMSとは、業務用ビル等において、室内環境・エネルギー使用状況を把握し、かつ、室内環境に応じた機器又は設備等の運転管理によってエネルギー消費量の削減を図るためのシステムをいう。BEMSは計測・計量装置・制御装置・データ保存・分析・診断装置などで構成される。
<ほ>
放射強制力
起こり得る気候変化のメカニズムの重要性を表す簡単な尺度。放射強制力は二酸化炭素の濃度変化や太陽放射の変化などによる、地球・大気系のエネルギーバランスに対する擾乱である(1平方メートルあたりのワット数で表す)。気候系は、エネルギー平衡を再び保つよう放射強制力に対して応答する。正の放射強制力は地表面を暖め、負の放射強制力は地表面を冷やす傾向がある。
補完性
京都議定書で各国に課せられた削減目標の達成においては、国内での削減が主であり、排出量取引、共同実施は「補完的」でなければならないと定められている。しかし、クリーン開発メカニズムでは一部補完的というあいまいな表現になっている。
(JCCCA HPより)
ポスト京都議定書
京都議定書で定められている第一約束期間(First Commitment Period)以降の枠組みにかかる諸問題を指す。現在の京都議定書は、1990年を基準年として2008年~2012年までを第一約束期間と設定して、国連気候変動枠組条約の加盟各国の温暖化ガス削減目標等の地球温暖化防止対策の国際枠組みを定めている。2013年以降、どのような枠組みでこれを進めていくかについては、京都議定書第3条9項により、第1約束期間が終了する少なくとも7年前(2005年)に検討を開始することとされ、締約国会合を中心として政策立案者、研究者等の間で検討が始まっているが、その議論は難航しており2007年現在、枠組みの方向は定まっていない。
全体的な論点としては、先進国の第二約束期間の目標や行動基準、途上国の更なるコミットメント、議定書から離脱している先進国との関係などがある。これらの点をめぐり、現在、附属書I国締約国による「アドホック・ワーキング・グループ」、議定書締約国による「議定書のレビュー」及び気候変動国連枠組み条約締約国による「気候変動に対応するための長期的協力に関する対話」の三つの検討の場が設けられ交渉が続けられている。
(EICネット HPより)
ホットエア
京都議定書で定められた温室効果ガスの削減目標にたいし、経済活動の低迷などにより相当の余裕をもって目標が達成されることが見込まれる国々(旧ソ連や東欧諸国)の達成余剰分のこと。これらの達成余剰分は他の先進国に対し、排出量取引される公算が強い。
(JCCCA HPより)
ボローイング
温室効果ガス削減の数値目標を達成できない国が、次の約束期間の削減分の一部を前借して達成とみなすメカニズム。京都議定書では正式に承認されるに至らなかった。
(JCCCA HPより)