A6:大気中の温室効果ガス濃度

A6:大気中の温室効果ガス濃度


・大気中の主要な温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素)の変化をみると、西暦0年以降約2千年間はいずれの気体も、産業革命(1750 年頃)以降急激に増加しています。これら増加の原因は人間活動に求めることができます。温室効果ガスとして代表的な二酸化炭素は、産業革命前濃度が平均で約280ppmでしたが、運輸、製鉄、火力発電、建物の冷暖房などにおける化石燃料使用により、現在は393ppmで産業革命から41%増加しています。

・その濃度は主要先進国が分布する赤道以北で高くなっています。IPCCによると、このままでいくと21世紀の終わりまでには540~970ppmv(1750年比90~250%の増加)になると予測しています。

・また、森林破壊にともない、木が燃やされたり微生物による有機物の分解が進むことでも二酸化炭素が排出されています。

・メタンは、畜産業、農業、天然ガスの漏洩、ごみの埋め立てなどの結果として増加してきましたが、最近は増加が頭打ちになっています。

・一酸化二窒素は、肥料の使用や化石燃料燃焼などが原因で増加しています。また、ごく低濃度でも強い温室効果を持つフロンガス等は、自然界には存在せず、すべて人間が工業的に作り出したものです。

・大気に含まれる水蒸気も温室効果ガスとしては重要ですが、その濃度は、海面や地面から蒸発したり、雨や雪になって落下したりといった自然の過程によって調節されており、人間活動による直接的な影響は大きくありません。しかし、温暖化にともなって水蒸気量が増加すると温暖化を増幅させることになりますので、間接的にはとても大きな影響を持っています。

・地球温暖化の主な原因となっている二酸化炭素は、その9割が石油や石炭などの化石燃料の燃焼により発生しています。化石燃料は現在の私たちの生活から切り離すことのできない限りある大切な資源です。地球温暖化を防止し、限られた資源を将来に引き継ぐためにも先進国に住む私たちのくらし方や社会のしくみをもう一度見直すことが求められています。

IPCCは、平均気温が今後、産業革命前の気温から23度上がると、地球上のあらゆる地域に気候変動による悪影響が及び、その対策のために莫大なコストが必要になると指摘しています。私たちが温暖化の決定的な被害を回避し、未来を守ってゆくためには、気温の上昇を産業革命前とくらべ、2度未満に抑えなくてはならないのです。

・この実現には「2050年までに世界の温室効果ガス排出量を10年比4〜7割削減し、21世紀末にはほぼゼロにする必要がある」というのがIPCC第3部会の結論です。このためには、50年時点で、再生可能エネルギーなど低炭素エネルギーを3〜4倍に増やすことが求められます。

 


 
温室効果ガス等の世界平均濃度(2011年)

  

 
 

  

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