
国際社会では、地球温暖化問題を気候変動問題として捉え、1992 年5 月に「気候変動に関する国際連合枠組条約」が採択され、1994 年3 月に発効しました。この条約は、「気候系に対して、危険な人為的干渉を及ぼすこととならない水準において、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させること」を究極的な目的として、先進国が温室効果ガスの排出量を1990 年の水準に戻すこと等を目指していました。1997 年12 月に京都で開催されたこの条約の第3回締約国会議(COP3)では、日本が議長国を務めて、先進国が地球温暖化対策に取り組むための第一歩として、「京都議定書」が採択されました。
この京都議定書では、第一約束期間(2008 年~2012年)において先進国全体の温室効果ガス排出量を1990 年比で少なくとも5%削減することを目指し、各国ごとに法的拘束力のある削減目標が定められました。日本の場合は、1990年の排出量から6%削減することを約束しています。その後、米国の離脱表明があり京都議定書の存続が危ぶまれましたが、2001 年11 月の第7 回締約国会議(COP7)で、京都議定書の運用細則を定める文書(マラケッシュ合意)が決定されました。これを受けて、日本は2002年5月に京都議定書を批准し、その後ロシアの批准により2005年2月16日に京都議定書が発効しました。
さらに、2005年12月の第11回締約国会議において、2013年以降の取組に関して「モントリオール行動計画」が採択されました。◆地球温暖化問題に関わる国際交渉の経緯
|
国際交渉 |
概 要 |
| 気候変動枠組条約 (92年5月採択、94年3月発行) |
・地球サミット(92年6月、リオデジャネイロ)で150カ国以上が署名 ・先進国は1990年代末までに温室効果ガス排出量を1990年レベルまで戻すことを目指す(努力目標) |
| COP1 (95年3月、ベルリン) |
「ベルリン・マンデート」 ・先進国の取組についてCOP3までに議定書等の形で結論を得ることを目指し検討を開始 |
|
COP2 |
「ジュネーブ閣僚宣言」 ・議定書は法的拘束力のある数値目標を含み得ること等を明確化 |
|
COP3 |
「京都議定書」の採択 |
|
COP4 |
「ブエノスアイレス行動計画」 |
|
COP5 |
・多くの国が、2002年までの京都議定書発効の重要性を主張 |
|
COP6 |
・京都議定書の運用ルールについて決定する予定であったが、合意は不成立、会議中断 |
|
COP6再開会合 |
「ボン合意」 |
|
COP7 |
「マラケシュ合意」 |
|
COP8 |
「デリー宣言」の採択 |
|
COP9 |
・京都議定書の実施に係るルールが決定 |
|
COP10 |
・「政府専門家セミナー」の開催(2005年5月)、「適応対策と対応措置に関するブエノスアイレス作業計画」に合意 |
| (2005年2月16日) | 「京都議定書」発効 |
|
COP11 |
「モントリオール行動計画」の採択 |
◆京都議定書の概要と各国の削減目標達成状況
|
対象ガス |
CO2,CH4,N2O,HFC,PFC,SF6 |
|
吸収源 |
森林等の吸収源によるCO2吸収量を算入 |
|
京都メカニズム |
共同実施,排出権取引,クリーン開発メカニズム |
|
基準年 |
1990年(HFC,PFC,SF6は1995年) |
|
目標期間 |
2008年~2012年 |
|
数値目標 |
日本-6%,米国-7%,EU-8%等 |
◆各国の温室効果ガス排出量削減目標の達成状況
|
国 |
温室効果ガス排出量増減率 2000年/基準年(1990年) |
削減目標 ※基準年の排出量を0とする |
| アイスランド |
+6.9% |
+10% |
| オーストラリア |
+18.2% |
+10% |
| ノールウェー |
+6.3% |
+10% |
| ニュージーランド |
+5.2% |
0% |
| ロシア |
-35.4% |
0% |
| カナダ |
+19.6% |
-6% |
| 日本 |
+8.0% |
-6% |
| ハンガリー |
-17.0% |
-6% |
| アメリカ |
+14.2% |
-7% |
| スイス |
-0.9% |
-8% |
| EU |
-3.5% |
-8% |
出所)(独)国立環境研究所 地球環境研究センター資料より作成
備考)網掛けしたオーストラリアとアメリカは京都議定書を批准していない

我が国では、京都議定書の発効を受けて、6%削減目標の達成を確実なものとするために、京都議定書目標達成計画を平成17年4月に閣議決定しました。この計画では、現状の対策をそのまま続けたとしても第一約束期間(2008年度~2012年度の5年間)の中間年に当たる2010年度で、温室効果ガス排出量が基準年(1990年度)比で6%増になると見込まれるため、1990年度に比べ12%に相当する排出量削減の追加対策が示されています。また、温室効果ガスの種類、排出部門別に削減目標が示されており、温室効果ガスの9割を占めるエネルギー起源の二酸化炭素は、基準年比で0.6%増の水準に抑制することを目標としています。
◆京都議定書6%削減約束と日本の温室効果ガス排出量